四柱推命の外格についてまとめていきます。
前回は十二運星や神殺す、五行の点数をつけるやり方がなぜ本質的ではないのかという記事をまとめました。
その中で身強と身弱が大切ということをちらっと説明したのですが、今回のテーマである『外格』のことを知ると、より身強と身弱の判断の重要性が分かるので、まとめていきます。
外格とは?
外格とは、特定の条件下に置いて五行が極端に偏っている命式のことです。
- 極身強:強旺格
- 極身弱:従児格、従財格、従官格
四柱八字では、確率的におそらく90%が内格になるので、一般人で外格はほとんどいません。
建禄格、月刃各、傷官格、食神格、偏財格、正財格、偏官格、正官格、偏印格、印綬格の10種類があります。
ただ、命式の情景をイメージして鑑定する四柱推命では、内格の格をきっちりとると判断を誤ります。
なぜなら、後天運によって力量が変わり、正財格寄り、印綬格寄りなどと境界があいまいになりがちだからです。なので内格のときは格は取らなくて大丈夫です。
三柱推命は本質的ではない
三柱推命の教室では内格や外格という表現は習いませんでした。
ただ、似たような鑑定の仕方に八相局というのがありました。
「三柱の通変星5つのうち4つが同じ五行の星であれば八相局である」といった鑑定をしていました。
算命学と似ています。
八相局とは
劫財・比肩が4~5ある命式⇢劫局
食神・傷官が4~5ある命式⇢食局
偏財・正財が4~5ある命式⇢財局
偏官・正官が4~5ある命式⇢官局
偏印・印綬が4~5ある命式⇢印局
※このような見方をしても時柱で破格になっていることもあるので八字で判断するのが良いと思います
私が教わった内容は、八相局と言われる人はエネルギーが強く、海外で活躍できるようですが、八相局に当たる人はその辺に結構いる命式です。
八相局の方の命式を、八字で見ると、ただの身弱命式だったりするので、やはり四柱で見ないと鑑定を誤ります。
話が少しそれたので、外格の話に戻します。
外格は教科書などでは素晴らしい人物と言われていますが、実際は外格だからといって人格者というわけではありません。
正しくは、外格は用神を定めるために格を取るというのが正解です。
- 極身旺であれば自星と印星が用神(印星大過の身弱の普通命式という場合もあるので見極めが大切)
- 極身弱であれば、洩星、財星、官星のどれかが用神
極身強について
- 比肩劫財と(印星)のみで構成(印星はあってもなくてもOK)
- 洩星,財星,官星は一切ない命式
①強旺格
強旺格は基本的に自星が強いことが条件です。身が強いということを崩してはいけません。
自星が弱く、印星大過の場合、用神が自星となる場合、印星大過の身弱として捉えることになるので、間違えないよう注意です。
たまに、従旺格(自星の極身強)、従強格(印星の極身強)と判断する記事を見かけますが、例を見たことがないので、ちょっとわかりません。
強旺格の例
寅午→火局半会、午未→南方合半会
甲丙丁の関係:木生火
用神:木火
破格:水
破格とは
破格はきれいに保っていたものが崩れるときのことを言います。
普通の命式では五行のバランスをとることが大事ですが、外格の場合、極端に偏ってることが良いとされるので、自分を剋す五行が巡ってくると、格が崩れてしまいます。
破格になると大病や破産、人によっては自死などを起こすことがあるので、外格は良いときと悪いときの波が激しくなります。一つの現象なので、本人には伝えなくて良いと思います。
強旺格の用神の注意ポイント
強旺格の場合、用神は自星,印星となりまが、四柱推命では身が強い場合、洩らすことも良いという考え方があるので、洩星も用神になると考えます。
ただ、強旺格の中でも火が強い命式は土は用神になりません。
なぜなら、金を生み出す土は水を含んだ湿土であり、火質が大過しているところに土が来てもパサパサの乾いた土になるだけです。乾いた土は金を生み出すことができないので、必ず適度な水が必要になります。
しかし、火は水を嫌うので、湿土は火の強旺格にとってはNGです。なので、火の強い強旺格の場合、用神は木火のみです。
様々な強旺格の種類
- 一行気得格
- 曲直仁寿格
- 炎上格
- 従革格
- 潤下格
- 稼穡格
- 両神成象各
- 相成格
- 成象格
①一行気得格
- 全柱一種の五行からなる命式
確率的に、ほとんどいないと思います。
すべて同じ干支でできている
用神:金水木
破格:土
②曲直仁寿格
- 日干が乙or甲の強旺格
- 地支が三合木局or東方合している
何千年もの御神木や長年かけてうねうね曲がった立派な松みたいなイメージをすると、覚えやすい名前です。
亥卯未→三合木局
癸乙の関係:水生木
用神:水木火
破格:金
炎上格の例
- 日干が丙or丁の強旺格
- 地支が三合火局or南方合
水は火を消しますが、大炎上しているところに水が来ると大爆発するので水火激冲となるので危険です。
用神:木火(火が強い場合、土は用神にならない)
破格:水
巳午未→南方合
甲丙丁の関係→木生火
従革格の例
- 日干が庚or辛の強旺格
- 地支が三合金局or西方合している
名前は金属っぽくありませんが、昔から何か革命が起きるときは金属が使われていたため金の強旺格は従革格と言います。
用神:土金水
破格:火
巳酉丑→三合金局
己辛の関係→土生金
潤下格の例
- 日干が壬or癸の強旺格
- 地支が三合水局or北方合している
用神:金水木
破格:土
亥子丑→北方合
申子:三合水局半会
申は金質なので、金生水
稼穡格の例
- 日干が戊or己の強旺格
- 土の地支(辰戌丑未)が4つ全部揃っている
稼穡というのは種まきと収穫のことを表しています。
用神:火土金
破格:木
両神成象各の例
- 2種類の五行のみで構成されていて、且つ力量が同じ
- 相成格と相象格の2種類
相成格
- 生じる関係の組み合わせで、両方が同じ力量からなる命式
【水木、木火、火土、土金、金水】 - 喜神は順じて生じていく五行
- 忌神はそれぞれを剋す五行
/ | 水木 | 木火 | 火土 | 土金 | 金水 |
---|---|---|---|---|---|
喜神 | 火 | 土 | 金 | 水 | 木 |
忌神 | 土金 | 金水 | 水木 | 木火 | 火土 |
喜神:火(水生木→木生火となるため)
忌神:土金(土剋水、金剋木となるため)
成象各
- 剋の関係の組み合わせで、両方が同じ力量からなる命式
【木土、火金、土水、金木、水火】 - 喜神は間の星で絶中生、通関神などと呼ぶこともある
- 剋す方の五行が剋されると破格する
/ | 木土 | 火金 | 土水 | 金木 | 水火 |
---|---|---|---|---|---|
喜神 | 火 | 土 | 金 | 水 | 木 |
忌神 | 金 | 水 | 木 | 火 | 土 |
喜神:火(木生火→火生土となるため)
忌神:金(金剋木だから)
従旺格にならない例
上記の命式は強旺格、又は両神成象格に見えます。
この命式は水を含んだ土が辰のみでとても少ないので、普通の命式です。普通命式であれば、用神は庚になります。
もし、辰と丑のような水を含んだ土が他の柱にもあれば強旺格になり得ます。内格か外格かわからない場合は大運の運気の良し悪しを相手の方と確認しながら格を取りましょう。
おわりに
外格は特殊な命式ですが、決して特別な人、人格者というわけではありません。用神の取り方が内格の命式と違うので、間違えて鑑定してしまうと最悪です。
巷のブログにも、全然外格じゃない例を挙げている方がいるので、気を付けて下さい。
そもそも、外格はそうそう出会わない命式なので、本当に外格ではないのに、外格だと勘違いして「あなたは特別な命式の人です。」とか「破格になるから破産します」などとは伝えない方が良いでしょう。
外格の命の元生まれてきたということは、運気の良いときに何かを成し遂げ、それが終われば役目が終わるのが極端なだけです。占い師は下手な口出しをしなくて良いのです。
著名人の方に外格が多いので、調べてみるとぶっ飛んでる方が多いので面白いです。
次回は従格です。