今回は命式の力量を正しく判断して、通根の判断から、用神を取るまでのやり方を解説していきます。
日本で流行している四柱推命は、三柱で判断し、蔵干の一つが採用されて、通変星を出します。
そして「傷官があるから芸術肌」「印綬があるから学者や先生」という鑑定をしていて、それだと「A型だから几帳面な人」「B型だからマイペースな人」といった型にハマった鑑定になります。
あながち間違えではないのですが、正しく力量を分析できるようになってくると、もっと細かく本質的な部分が見えるようになります。
今回はそんな本質を捉えることができる四柱推命鑑定の例をまとめていくので、参考にしてみて下さい。
四柱推命鑑定は力量の判断が大切!
- 四柱八字、蔵干
- 大運
- 通変星
これらのポイントを抑えて、日干がどのようになっているのかを判断します。
本来は、四柱+大運年運の六柱で判断し、十二運星や神殺などは使いません。
今回は大運は使わず、通根と用神の取り方だけ見ていきます。
鑑定の流れ
- 命式、地支の蔵干、(大運)を算出する
- 三合会局、方合があるかどうかを確認する。
- 干合、支合、冲があるかを確認する。※隣り合う柱であること
- 月令を得ているか、通根しているかを確認する
- 身強か身弱か判断する、用神を取る
力量を見るとき、木が何点、火が何点といった測り方をしません。月令を得ているから、三合会局だから、力量が3倍になるといった考え方もしません。
基本的には、日干がどんな状態になっているのか情景をイメージして、日干を助ける五行(自星、印星)が必要なのか、日干を弱める五行(漏星、財星、官星)が必要なのか、用神を判断していきます。
文章だけではわかりにくいので、例を用いて解説していきます。
ステップ1:四柱と蔵干を書き出す
命式がわからない方は下記のサイトで四柱と蔵干全部が算出できます。(本当は万年暦で出したほうが正確)
→命式を調べる
ネットで命式を出すと選ばれた通変星と十二運星がセットで出てきますが、八字と蔵干と大運が分かればOKです。
下記のように書き出します。
他教室との違いは、命式の地支の蔵干は必ず、すべて書き出すところです。
多くの教室では、節入りから7~10日間は余期で…余期の終わりから何日が中期で…といった出し方をしています。採用された星を蔵干通変星、採用されなかった蔵干を隠れ星と言ってるところもあります。
しかし、本来の鑑定は命式のどの干が一番力があるかを判断することが重要です。必ず、四柱すべての蔵干を書き出して下さい。
蔵干表
ステップ2:三合会局、方合を見つける
- 三合会局、方合があれば五行を変化させる
- 上記がなければ支合を見つけて五行を変化させる
- 南方合で地支がすべて火質になっている
- 三合会局はなし
- 未午は離れているので支合にならないが、南方合なので火質としてみる。
方合の組み合わせ
東方合(木局) 寅卯辰 | 南方合(火局) 巳午未 | 西方合(金局) 申酉戌 | 北方合(水局) 亥子丑 |
辰は木質に変化 | 未は火質になる 火土同根の原理で 土の根にもなる | 戌は金質に変化 | 丑は水質に変化 |
三合会局の組み合わせ
三合木局 亥卯未 (いうひつじ) | 三合火局 寅午戌 (とらうまいぬ) | 三合金局 巳酉丑 (みとりうし) | 三合水局 申子辰 (さるねたつ) |
亥・未は木質に変化 | 寅・戌は火質に変化 | 巳・丑は金質に変化 | 申・辰は水質に変化 |
卯午酉子の四旺の十二支があるときは、半会になり得るのでアンテナを張っておきましょう
ステップ3:干合、支合、冲があるかを確認する。
干合は条件がそろっていないと化さないので、干合してるかどうかチェックだけします。
干合の組み合わせ
- 甲×己
- 丙×辛
- 戊×癸
- 庚×乙
- 壬×丁
支合の組み合わせ
- 子丑⇢水質(北方支合・北方合半会)
- 寅亥⇢木質に変化(東方支合)
- 卯戌⇢木質or土質に変化(中央支合)
- 辰酉⇢土質or金質に変化(天軸支合)
- 巳申⇢金質に変化(西方支合)
- 午未⇢火質(南方支合、南方合半会)
必ず化すわけではありません。また、子丑、午未は方合半会なので、支合として覚えなくてOKです。
天干の力量に合わせるので、冲の組み合わせ
- 子午
- 牛未
- 寅申
- 卯酉
- 辰戌
- 巳亥
冲があると、支合や会局がなくなるという教室があるようですが、なくなりません。
ステップ4:通根、月令を得ているかどうかチェック
- 天干が地支に通根しているか
- 月令を得ているか
日干→時柱→月柱→年柱の順で一個一個丁寧に通根しているか見ていきます。
- 日干癸はどこにも通根しない
- 時干丁は全地支に通根して月令を得ている
- 月干辛は巳の蔵干に庚があるが、三合金局にならないと通根できない。さらに南方合しているので金質にはならない。
- 年柱庚も巳の蔵干に庚があるが、三合金局にならないと通根できない。さらに南方合しているので金質にはならない。
通根の条件
甲乙 | 丙丁 | 戊己 | 庚辛 | 壬癸 |
---|---|---|---|---|
寅・卯・辰はそれぞれ根になる 三合木局(亥卯未)で結びつくと(亥)・未は根になる | 巳・午・未・寅はそれぞれ根になる 三合火局(寅午戌)で結び付くと戌は根になる | 辰・未・戌・丑はそれぞれ根になる 巳・午・未も根になる(火土同根) | 申・酉・戌はそれぞれ根になる 三合金局(巳酉丑)で結びつくと巳・丑は根になる | 亥・子・丑・申はそれぞれ根になる 三合水局(申子辰)で結びつくと辰は根になる |
全体をよく見て判断することを忘れないようにしましょう。
条件が当てはまっていても、力量によっては通根しないときがあるで、ステップ5:身強か身弱か判断する、用神を取る
上記の命式は財星大過の身弱命式である。
庚(+α壬)
用神:壬を用神にしてしまうと水火激冲となり、癸だとすぐ蒸発してしまうような、火の強い命式なので、庚で水を生じ、火を弱めるのが良いと考えます。欲を言うと、庚を使いつつ、+α壬も補うのが理想的な用神の取り方であると考えます。ただ、壬は丁と干合するので、副作用で財が変に飛ぶ可能性も考えられます。
- もし天干の庚辛が丙丁甲乙のどれかだったら、極身弱の従財格となったかもしれません。しかし、庚辛が、日干癸を生じる五行なので、内格の身弱となります。
- もし、月干の辛が戊だった場合、戊癸干合し、月令も得て、他に水質がないので化火格になる可能性があります。身弱の癸が身旺の丁になるので、生き方が全然違います。身旺身弱の判断はとても重要です。
身強の判断ポイント
- 月支に通根している>比肩劫財がある>印星がある
- 用神が漏星、財星、官星のどれかになる場合は身強
身弱の判断ポイント
- 漏星or財星or官星が多く、日干の力量が弱い
- 用神が自星、印星になる場合は身弱
注意点は、印星が旺じていても、用神が自星であれば身弱命式となります。
日干甲で水(印星)が旺じている命式は、用神が甲(自星)になるので、身弱命式となります。
おわりに
今回はあまり難しくない命式だったので、今後も通根の取り方の例はUPしていくので、参考にしてみてください。