
今回は命宮に十四主星が入らない、命無正曜格についてまとめていきます。
紫微斗数は命宮に入る主星の数が0個、1個、2個のどれかになります。そして命宮に十四主星が入らない方を無命正曜格といいます。
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命無正曜格とは?


命・・・命宮
無・・・無い
正曜・・・主星
各・・・タイプ
命無正曜格は命宮に主星がないことだけを言います。副星が入っていても主星がなければ命無正曜格となります。
命宮に入る主星でその人のキャラクターが決まります。1個の人もいれば2個の人もいます。命無正曜格はざっくりキャラクターがない人ということになります。
命無正曜格の決まり事


- 対宮の遷移宮に主星が2つ入る
- 遷移宮に強い影響を受ける
- 隣宮の父母宮と兄弟宮に影響を受ける
命宮に星が入っている場合でも遷移宮の影響は現れます。ただ、命無正曜格の人の場合は命宮に主星がない分、自分というものが確立していません。
なので遷移宮の影響がかなり顕著に出ます。



幼少期は親や兄弟、同級生などの影響を強く受けて育ち、大人になってからも、上司や同僚など身近な存在の影響を大きく受けるので、父母宮と兄弟宮が鑑定の際に重要なポイントになってきます!
命無正曜格の特徴


①他人や環境に影響される
主星→信念の強さ、価値観を表す
副星→手段の数、その宮の吉凶を表す
宮に星が入っている数だけ、その人の欲求や信念、こだわりが強くなります。
命宮に星が多いなら、自分自身が成し遂げたいことが強くあり、財帛宮に多ければ、お金や物欲が強くなり、官禄宮に多ければ、仕事の成功意欲が高いといった傾向になりやすいと言えるでしょう。
その中で命宮に主星が入らない、命無正曜格の人は、信念があまりない人となります。
共感力があり、先入観を持たない傾向にあるので、信じ込みやすい傾向になります。
隣宮の父母宮と兄弟宮の影響を受け、周りの影響によって「これが自分だ!」という信念みたいなものが出来上がっていきます。
副星があれば、信念はなくても手段を知っている、やり方にはこだわりたいという傾向が出てきます。
副星もない人は手段も何もこだわらない人ということになるので、よく言えば可能性が無限大の人、柔軟性がある人、悪く言えば流されやすい、道を外しやすい人ともいえるかもしれません。
絵画をたとえで言うと、
主星がある人は完成した絵
主星がなくて副星だけがある人はデッサンの状態
主星も副星もない人は、真っ白なキャンバス
といった感じです。
②信じ込むと没頭する
命無正曜格の人は頭ではバランスが大事ということはわかっていますが、信念や判断基準がないので、過集中になりがちです。
例えば「ベジタリアンが正義」という価値観を植え付けられたとします。制限が分からないと、完全に動物性食品を排除して、自分だけではなく、周りにも強要したり、デモを起こすような状態まで行ってしまう状態です。
上記の内容は例なので、ベジタリアンを批判してるというわけではありません。過集中の状態は信念が強いような気がしますが、本当は信念が弱く、欠けているからこそ外的な何かに依存し過ぎて、主張してしまうと言えます。
何かに集中するのは誰でもあることですし、本人が幸せかどうかが重要です。
楽しくなるか、苦しくなるかは副星の吉凶が表すことになります。
③選択に迷いやすい
命無正曜格の人は自分の判断基準や価値観が曖昧なので、迷いやすいです。
責任や決断を任されると途端に悩んでしまうことがあります。
主星がある人なら、迷ったとして、誰かにアドバイスを求めたとしても、答えは自分の中にあります。
例えば、彼女が彼氏に「この服、青と赤どっちがいい?」と聞いたとします。彼が「青が良いよ」と言ったとしても、「ん~やっぱ赤にしよ」と意思決定を自分でする人が主星のある人です。
命無正曜格の人は彼に「青が良いよ」と言われて「ん~・・・。店員さん人にも聞いてみようかな。」と店員さんにも聞いた挙句「ん~なんか余計わかんなくなっちゃった。」となる人です。
最初は2つの選択肢に悩んでいただけだったのに、彼と店員さんの判断基準も加わって、余計迷う状態になってしまいました。
自分の判断基準がはっきりしていれば、他人の判断基準が加わることで、決断の後押しになります。
しかし、命無正曜格の人はそもそも自分の判断基準がないので、アドバイスを求めても、迷いが増えてしまうだけなのです。
その特徴があることを自分で認識しておけば、迷いに迷うということに悩まされなくなってくるかと思います。
④本質より第一印象が強い
命宮の対宮である遷移宮は、第一印象や外面、オフィシャルな自分を表します。
命無正曜格の人は遷移宮に主星が2つ入るので、第一印象が かなり濃く出ます。なので、初めてあった人からは、キャラが濃いなと思われたり、こだわりが強い印象を受けがちです。
しかし、深いかかわりになっていくと「なんか不思議な人だな」といった印象になります。
掴めそうで掴めない、不思議な魅力がある人と思われやすいのが命無正曜格です。
⑤距離感が掴みにくい
命無正曜格の人は、自分を知って欲しいという想いが強い傾向にあります。
しかし、自分自身というものがないので、自分の行動や発言に自信が持てず、相手の顔色を伺いながら行動や発言をしてしまいます。
結局、何がしたいのか、何が言いたいのかわからなくなってしまい、人から理解されないという悩みが発生します。
幼いころから第一印象とのギャップで他人から誤解されやすい経験が多いので、どうせ自分は理解されないという先入観を持ってしまい、問題を一人で抱えてしまう傾向にあります。
皆に理解されようとせず、誰か一人で良いので、すべてを打ち明けられる存在を作っておくと良いでしょう。
紫微斗数で見る人間関係の段階


人はプライベートとオフィシャルでキャラクターが変わりますよね。
紫微斗数での人間関係の段階として、
第一印象から入る(遷移宮)
⇓
本質が現れ親密になっていく(命宮)
⇓
信頼した相手に見せる顔が現れる(福徳宮)
このように、場面場面によって現れる星が違うので、性格が違って見えるのです。
命無正曜格の人は、第一印象から入って、命宮の本質のところを飛ばして福徳宮の顔が出てきてしまうので、初対面では普通だったのに、次の瞬間、突然重い話や深い話をしてきて、相手を驚かしてしまったりします。
人によっては心を開いてくれると嬉しいと感じる人もいるかもしれませんね。
しかし、良いなと思っていた異性との初デートでいきなり「幼少期に虐待されていたんです」「元カレがDVだったので、異性を信用できないんです」なんて言われたら、進展させて大丈夫かなと心配になっちゃいますよね。
段階をすっ飛ばすことは悪いことではありませんが、命無正曜格の人は、その傾向が強く、そんなところが距離感を掴めない印象を与えてしまうのです。
命宮にも福徳宮にも主星がない場合
まれに福徳宮にも主星がないという方もいます。その場合は身宮にある主星で判断します。
出会う、初対面のキャラクター(遷移宮)
⇓
親しくなる、信頼たときのキャラクター(身宮)
という流れになります。
もし、身宮にも星がない場合は、ずっと遷移宮のキャラクターだけで生きて行くことになるので、仮面をかぶり続けた生き方になります。
本音が言えない、悩みが言えない、どうしていいかわからないという生き方に陥りやすいと言えるでしょう。
生きづらさを感じている場合、これは星のせいなんだ、その特徴があるんだということを認識しましょう。

