四柱推命では、天干が地支に通根しているか、どの五行の力量が強いかによって、日干の強弱が変わります。
日干の強弱が分からなければ、用神が取れないので、正しく強弱を判断するする必要があります。
今回は十二支ごとにどの天干の根になるのかを解説していきます。この記事を読むと、本質的な四柱推命鑑定に繋がりますので、是非何度も呼んで理解して下さい。
通根とは?
通根とは、天干から見て地支に根を張ることができていること。地支側から見ると透干という。月支と通根していると月令を得ると言います。
月令を得る・・・天干が月支に根を張ることができている状態。季節の力は強いので、月令を得ていると、月令を得ている天干の力はより強くなる。
透干・・・地支側から見て天干と結びつくことを透干という。
「丁は午に通根する」「丙は午の月令を得ている」という言い方をします。「午が丙に通根している」とは言いません。その場合は「午が丙に透干している」という。(あまり聞いたことないですが…)
蔵干表
寅の蔵干
寅の蔵干:戊、丙、甲
土質(戊己)、火質(丙丁)、木質(甲乙)が天干にあるときは、寅に通根できる可能性がある。
戊己 | 丙丁 | 甲乙 |
---|---|---|
寅は木質で木剋土となるので、単体では戊己の根にならない 戊己の根になるには、三合火局(寅午戌)で火質に変化すれば、戊己は寅に通根する | 寅は木質で木生火となるので、丙丁は寅に通根する | 寅は木質なので、天干甲乙は寅に通根する |
卯の蔵干
卯の蔵干・・・甲、乙
甲乙は木質であり、卯の蔵干も甲乙のみの純粋な木質なので、甲乙は卯に通根する。
「木生火で、卯も火の根になるのでは?」と勘違いしやすいのですが、なりません。寅は蔵干に丙があるので、丙丁の根になることができたのです。
辰の蔵干
辰の蔵干・・・乙、癸、戊
木質(甲乙)、水質(壬癸)、土質(戊己)が天干にあるときは、辰に通根できる可能性がある。
甲乙 | 壬癸 | 戊己 |
---|---|---|
辰は春月、木質グループの土質なので、甲乙は辰に通根する | 辰は土質で土剋水となるので、単体では壬癸の根にならない 壬癸の根になるには、三合水局(申子辰)で水質に変化すれば辰に通根する | 辰は土質なので、戊己は辰に通根する |
天干に木・水・土、全部の干が揃っている場合、辰は力量が強い天干に根を張る性質があります。大運によって天干の力量が変わると、その時々によって根っこが移り変わるので、見極めに注意が必要です。
巳の蔵干
巳の蔵干・・・戊、庚、丙
土質(戊己)、金質(庚辛)、火質(丙丁)が天干にあるときは、巳に通根できる可能性がある。
戊己 | 庚辛 | 丙丁 |
---|---|---|
巳は火質で火生土であり、火土同根の原理で戊己は巳に通根する | 巳は火質で火剋金となるので、単体では庚辛の根にならない 庚辛の根になるには、亥卯未で三合金局(巳酉丑)で金質に変化すれば、庚辛は巳に通根する | 巳は火質なので、丙丁は巳に通根する |
午の蔵干
午の蔵干・・・丙、己、丁
火質(丙丁)、土質(戊己)が天干にあるときは、午に通根できる可能性がある。
丙丁 | 戊己 |
---|---|
午は火質なので、丙丁は午に通根する | 午は火質で火生土であり、火土同根の原理で戊己は午に通根する |
午は四正の星なので、蔵干に己が混じる理由を謎に思う方がいます。火土同根の原理なので、午の蔵干には己があります。
未の蔵干
未の蔵干・・・丁、乙、己
火質(丙丁)、木質(甲乙)、土質(戊己)が天干にあるときは、未に通根できる可能性がある。
丙丁 | 甲乙 | 戊己 |
---|---|---|
未は夏月、火質グループの土質なので、丙丁は未に通根する | 未は土質なので木剋土となるので、単体では甲乙の根にならない 甲乙の根になるには、三合木局(亥卯未)で木質に変化すれば、甲乙は未に通根する | 未は土質なので、戊己は未に通根する |
土の十二支は天干の力量によって、根っこが変わりやすいですが、未はあまり移り変わりしません。
申の蔵干
申の蔵干・・・己、壬、庚
土質(戊己)、水質(壬癸)、金質(庚辛)、が天干にあるときは、申に通根できる可能性がある。
戊己 | 壬癸 | 庚辛 |
---|---|---|
申は金質で土生金で生じてもらう側であり、水局に変化しても土剋水となるため、戊己は申に通根することは絶対にない | 申は金質で金生水となるので、壬癸の根になる また、三合水局(申子辰)で水質に変化するので、壬癸は申に通根するといえる | 申は金質なので、庚辛は申に通根する |
申の蔵干は水と金だけ根になると覚えたらOKです。ちなみに申の己に通変星を付けている流派は、通根を理解していないことになりますので要注意です。
酉の蔵干
酉の蔵干・・・庚、辛
庚辛は金質であり、酉の蔵干も庚辛のみの純粋な金質なので、庚辛は酉に通根する。
戌の蔵干
戌の蔵干・・・辛、丁、戊
金質(庚辛)、火質(丙丁)、土質(戊己)が天干にあるときは、戌に通根できる可能性がある。
庚辛 | 丙丁 | 戊己 |
---|---|---|
戌は秋月、金質グループの土質なので、庚辛は戌に通根する また、土生金でもあるので通根する(※湿土であることが条件) | 戌は土質なので火生土と生じられる側なので、単体では丙丁の根にならない 丙丁の根になるには、三合火局(寅午戌)で火質に変化すれば、丙丁は戌に通根する | 戌は土質なので、戊己は戌に通根する |
戌も天干の力量によって、根っこが変わりやすいです。戌は金質グループですが、土生金となるには、土が湿っている必要があります。暑いパサパサ土の命式の場合、戌は丙丁の根っこになります。
亥の蔵干
亥の蔵干・・・戊、甲、壬、
土質(戊己)、木質(甲乙)、水質(壬癸)が天干にあるときは、亥に通根できる可能性がある。
戊己 | 甲乙 | 壬癸 |
---|---|---|
亥は水質で土剋水で、戊己は亥に通根することは絶対にない | 亥は水質で水生木となるので、甲乙の根になる また、三合木局(亥卯未)で木質に変化するので、甲乙は亥に通根するといえる (※水浸し命式だと、根腐れするので、亥は木質の根っこになり辛い) | 亥は水質なので、壬癸は亥に通根する |
自然界をイメージすると、水が多いと植物は根腐れします。植物が育つ環境であれば、亥は甲乙の根になり得ますが、そうでなければ亥は基本的に水の根っこになります。
子の蔵干
子の蔵干・・・壬、癸
壬癸は水質であり、子の蔵干も壬癸のみの純粋な水質なので、壬癸は子に通根する。
丑の蔵干
丑の蔵干・・・癸、辛、己
水質(壬癸)、金質(庚辛)、土質(戊己)が天干にあるときは、丑に通根できる可能性がある。
壬癸 | 庚辛 | 戊己 |
---|---|---|
丑は冬月、水質グループの土質なので、壬癸は丑に通根する | 丑は土質で、土生金なので、庚辛の根になる また、三合金局(巳酉丑)で金質に変化するので、庚辛は丑に通根するといえる | 丑は土質なので、戊己は丑に通根する |
丑も天干の力量根っこが変わりやすく、水や金のが強くなると、戊己は丑に通根できなくなります。
おわりに
今回は基本的な通根の説明をしました。四柱推命はマニュアル通りに点数などで力量を測れるものではありません。この記事の内容も、命式によっては、通根しない場合も出てきます。
後天運で力量が常に変わるので、型にはめることなく、自然界の陰陽五行を正しく理解して情景をイメージできることが大切です。
通根が分かると、命式の本質が見えてくるでしょう。