通根シリーズ第3弾です。前半は用神を取る練習問題、後半は力量でわかる性格診断をしていきます。
通根の練習問題①
Q、下記の命式の用神をとりましょう
Step1:地支、天干の関係を見る
まずは地支の状態を見ます。会局、方合、支合、干合、冲を探します。
- 亥卯未(三合木局)
- 巳亥(冲)
Step2:通根を見る
日干→時干→月柱→年干の順で見ていきます。天干が地支にしっかり根を張ることができるのか一個ずつ正しく判断していきます。
- 日干辛、月柱辛:巳の蔵干に庚があるが巳単体では火剋金なので辛は巳に通根できない
- 時柱癸:亥の蔵干に壬があるが、亥卯未で木局しているので、癸は亥に通根できない
- 年干己:巳は火質なので火土同根の原理で己は巳に通根できる
Step3:身強身弱、用神をとる
身弱の命式
用神:庚
地支が木質と火質で構成され、水不足の命式なので土生金が成り立たない。身弱は自星or印星で補う必要があるが、この命式は乾土であり、印星(戊己)を使うと埋金状態になってしまうため、印星(戊己)は用神として使えない
練習問題②
Q、下記の命式の用神をとりましょう
Step1:地支、天干の関係を見る
まずは地支の状態を見ます。会局、方合、支合、干合、冲を探します。
- 子丑(北方合半会)
Step2:通根を見る
日干→時干→月柱→年干の順で見ていきます。天干が地支にしっかり根を張ることができるのか一個ずつ正しく判断していきます。
- 日干乙、月柱乙:卯の蔵干に甲乙があるので、乙は卯に通根できる
- 時柱丙:戌の蔵干に戊があるが、火生土と丙の力を漏らす関係なので、丙は戌単体の場合は通根できない
- 年干戊:丑、戌の蔵干に土質がある。冬の季節であるが、天干に壬癸がないので、戊は丑に通根できる(亥子丑で北方合の場合は根にならない可能性が高い)。また、戌にも通根できる。
Step3:身強身弱、用神をとる
身弱の命式
用神:①甲②丙
- 冬の時期ですが、乙は根っこもあり、しっかりしていて、地支に水質もあり、天干に丙もあるので一見良さそうです。しかし、丙は戊を生じているので戊の力も強いです。乙では戊は剋す力はないので、この命式は甲で戊を剋す必要があります。
自星で補う=身弱 - 冬で丙の力も弱っているので、丙も2番目に用神として捉えることができます。
この命式は悪いわけではありませんし後天運にもよりますが、比較的お金のことで度々苦労するでしょう。
丙も戊に流れていくので、一人でアイディアを出そうとするとエネルギーが消耗するので、仲間に助けてもらいながら、自分のアイディアを出すようにすると生きづらさが解消するかもしれません。
練習問題③
Q、下記の命式の用神をとりましょう
Step1:地支、天干の関係を見る
まずは地支の状態を見ます。会局、方合、支合、干合、冲を探します。
- 申酉(西方合半会)
- 丁壬干合
- 丙辛干合
Step2:通根を見る
日干→時干→月柱→年干の順で見ていきます。天干が地支にしっかり根を張ることができるのか一個ずつ正しく判断していきます。
- 日干壬:申の蔵干に壬があり、また申は金生水と応援してくれる存在。よって壬は申に通根できる
- 時柱丁、月柱丙:未の蔵干に丁があります。また、未は夏の季節のグループなので丁と丙は未に通根できる
- 年干辛:申酉の蔵干に金質がある。申酉は秋の季節のグループなので庚は申酉に通根できる
Step3:身強身弱、用神をとる
身強の命式
用神:丙(水火既済)
身強の場合は漏らすか、剋すか、剋される必要があります。ぱっと見、甲が用神にもなりそうですが、壬と丙は美しい風景を作り出すので、この命式の用神は丙がよさそうです。水火既済といいます。
金水の勢いがかなり強い方です。女性であれば、身がしっかり強いので家庭に納まるのは苦痛化もしれません。大運で己が回るときは濁壬してドロドロと夫(男性)との関係において厄介なことがあるかもしれません。
また金水がこれ以上旺じると婦人科系の病気も注意になります。
練習問題④
Q、下記の命式の用神をとりましょう
Step1:地支、天干の関係を見る
まずは地支の状態を見ます。会局、方合、支合、冲を探します。
- 亥巳(冲)
- 甲己(干合)
Step2:通根を見る
日干→時干→月柱→年干の順で見ていきます。天干が地支にしっかり根を張ることができるのか一個ずつ正しく判断していきます。
- 日干乙、年干甲:未の蔵干に乙がありますが、単体では通根できません。亥の蔵干に甲がありますが、この命式は夏月で暑いうえに、冲されていて、水生木と生じれるほどの力があるのか曖昧なの通根しないとみておきます。寅は春の季節の動物なので甲乙は寅に通根できる
- 時柱癸:亥の蔵干に壬があります。同じ水グループなので癸は亥に通根できます。
- 月柱己:未と巳に通根できる(火土同根の原理)。寅の蔵干にも戊があるが単体の場合は木剋土となるので通根できない。
Step3:身強身弱、用神をとる
身弱の命式
用神:癸
通根もあり甲(劫財)もありますが、夏月なので、水が不足しがちです。己(偏財)によって水が剋され、甲(劫財)に水分を奪われる構図が見えるので、この乙はきれいに咲くには困難そうなので身弱でしょう。壬では流されてしまうので、癸(偏印)が用神となります。
命式内に用神を持っているので一見良さそうな命式に見えますが、お金で苦労したり、仲間にアイディアを奪われたり邪魔されたりしかねません。
偏印はクリエイティブな星、海外の星でもあるので、海外などで活躍されると良いかもしれません。
大運に癸が回るときは特にチャンスの可能性大です。邪魔されても気にしないようにしましょう。
命式で一番多い五行で人の性質がわかる
五行は時間、方位、季節、身体、色など、様々なものを表しています。
命式の力量がわかると、五常といって、その方の性質がわかります。
五常とは中国の思想家 孔子が創始した儒教の教えです。人が常に行うべき、守るべき道徳を表しています。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
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五常 | 仁 | 礼 | 信 | 義 | 智 |
意味 | 思いやり、やさしさ、慈悲従順、仁愛、愛情、惻隠の心 | 尊敬、礼儀、上下関係を重んじる、辞譲の心 | 信義、誠実、約束を守る、真実を告げる、友情に厚い | 正義、平等、公正、清廉、利欲にとらわれない、羞悪の心 | 物事の道理をよく知りえている、知識が豊富、是非の心 |
不徳 (大過) | 仁に過ぎれば弱くなる。 | 礼に過ぎれば諂となる。 | 信に過ぎれば損をする。 | 義に過ぎれば固くなる。 | 智に過ぎれば嘘を吐く。 |
命式を見ると、バランスが良い方(五行周流)している方もいれば、偏っている方もいます。人によっては天干にも蔵干にも持ち得ていない五行があることもあります。
儒教では、この五常を守り、徳を積んでいくことが大切だと言われています。
火質が全くない場合、感謝の心が欠けていることがあるかもしれません。金が大過していれば、頑固になりすぎているかもしれません。自分の性質は自分ではわかっていないことが多いです。
人の性質を見るというよりかは、自分の性質を顧みることに使うと良いでしょう。
力量が正しく判断できれば、用神を意識して徳を積むことで道が開けるようになるので、ご自身の命式を今一度見つめてみてください。
おわりに
四柱推命の力量の測り方を解説しました。ご自身の命式でも十二運星や点数判断をせず、日干がどのようになっているかを観察してみてください。